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マタチッチ/チェコフィルの英雄交響曲

英雄交響曲のリファレンス(戻る


1959年にスプラフォンに録音されたものです。 日本コロムビアの廉価盤シリーズでは何度も登場したお馴染みの演奏だったのですが、なんと今は入手が難しくなってきているようですね。 是非とも24ビットリマスターでの復活を期待したい演奏です。

この演奏、マタチッチらしい重厚でスケール感を持った演奏なのですが、それに味わいの深さが加味されているのはチェコフィルの特質によるところが大きいと思います。  個人的には、第3楽章のホルンのトリオから終楽章が好きです。 推進力のある音楽が展開されてゆき、これにまいってしまっています。  剛直さだけでなく、風格をも感じさせる英雄交響曲です。

CDでは色々な英雄交響曲の演奏があり、僕もあれこれと聴いています。 たとえばコンビチュニーの骨太な演奏、とくにモノラル録音ですがシュターツカペレ・ドレスデンの演奏など充実した素晴らしいものですし、また最近流行の古楽器による演奏や、モダン楽器であっても新ベーレンライター版のスコアを使った溌剌とした軽量級の演奏もまた面白いと思っています。 さらにバッタもんCD系ですが、サラリと流すナヌートの演奏も僕には好きな録音となっています。 しかし、このマタチッチ/チェコフィルの演奏、これらすべての中間をゆく演奏として大切な録音になっています。 自分にとっての標準、いわゆるリファレンスとの思いがあるのです。

音楽はもともと個人の嗜好の世界ですから異なった意見もあるでしょう。 またそうあってこそ面白いのだと思います。 しかし、まだこの演奏を聴かれたことがない方には、是非とも聴いていただきたい英雄交響曲なのです。 マタチッチ/チェコフィルによる英雄交響曲の早期入手をお勧めします。

1990年発売のThe Classics 1300 の1枚(2000年発売の1,200円盤もあり)