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大阪市民管弦楽団第54回定期演奏会

弦楽器群が見事なシベ1交響曲戻る


大阪市民管弦楽団 第54回定期演奏会
2000年4月15日(土) 19:00 ザ・シンフォニーホール

ヴェルディ:歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
シベリウス:交響曲第1番 ホ短調

指揮:清水宏之 独奏:岡田英治(Vn)

前回は子供の発表会とブッキングしたのでパスした大阪市民管弦楽団の演奏会だが、今回は始めての一家4人での鑑賞。 ちょっと気が散るけどこれもいたしかたない。 結果的には満足した演奏会だった。

序曲が元気良く始まる。 好調な滑り出しで嬉しくなる。 ちょっと弦楽器がガサついた感じだったけど元気に押し切った感じかな。
さてブラームスのヴァイオリン協奏曲は大フィルのコンマスでありこのオケの弦楽器トレーナの岡田さんがソリスト。 あのがさつな、と言っては失礼だが、そんなイメージの強いオケのコンマスとは思えない、美音だが決して甘くならない抑えた音が何より素晴らしかった。 ちょっと線が細いかな、と思ったが、1階席最後方で聴いていた友人は3楽章で音が届かないと言っていた。 なんとなくそれも分かるような感じ。 それほど抑えた表現で、柔らかくもあるが、質素・素朴なブラームスの世界を表現していたと思う。 しかしながら肝心のオケのホルンパートが表現以前の問題で気が気ではなかったことも事実。 序奏からいきなりだったし、第1楽章のカデンツァの後でもハラハラしてしまった。 鳴らす第3楽章は持ちこたえるが、抑えた第1・2楽章は限界外なのか。 ちょっとソリストに失礼な感じだった。

そんな不安を一気に吹き飛ばしたのがメインのシベ1。
最後まで緊張が切れない高揚感があって、これまでCDやLPで予習していたが、どの演奏よりもここで聴いたものが数段良かったように思った。
ナマで聴く方が面白く聴ける曲なのかもしれないが、弦楽の各パートの分奏が素晴らしかった。 2階席から聴いていたので、序奏から各パートが一枚板のように見事に揃ってメロディを受け渡していくのが面白いようにハッキリわかった。 それも、まったく不自然さがなく実に見事。 よく訓練されている、そんな感じ。 聴くこちら側にもどんどんと気合が入ってくる。
指揮者にもよく反応していた。 特に第1楽章のシンバル以降の寂寞とした感じへの転換、第2楽章の冒頭の抑えた表現なども見事。 ただただ勢いだけで押し切るのではない。 練習ではメンバのリズム感が合わない難航していた言う第3楽章は圧倒的で、終楽章のラストの1音まで緊張の糸が切れることはなくとても充実した演奏だった。 これにはもう大満足。
アンコールのグリーグのノルウェー舞曲もオーボエがプロ級の美音でこれまた素晴らしかった。 次回の大曲「英雄の生涯」が楽しみ。