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吹田市交響楽団 サマーコンサート 2005

夏の恒例行事/ダンス・ダンス・ダンス!戻る


吹田市交響楽団 サマーコンサート 2005
2005年8月21日(日) 14:00  吹田市文化会館「メイシアター」大ホール

第1部  
バーンスタイン: ミュージカル「キャンディード」序曲(+)
アンダーソン: ブルータンゴ(*)
ドヴォルザーク: スラブ舞曲第10番ホ短調(*)
マーラー: 交響曲第5番第4楽章(*)
ビゼー: 組曲「アルルの女」より「ファランドール」(*)(+)
 

ダンス: STUDIO DANCE WITH RAY (+)

 

指揮:新谷 武、米山 信(*)

   
第2部  
Let’s Try − あなたも名指揮者
ビゼー: 組曲「アルルの女」より「ファランドール」
ベートーヴェン: 交響曲第9番「合唱つき」第4楽章より
 

案内:米山 信

第3部  
ラヴェル: ラ・ヴァルス
 

ダンス: STUDIO DANCE WITH RAY

 

指揮:新谷 武

   
(アンコール) アンダーソン: 舞踏会の美女
 

ダンス: STUDIO DANCE WITH RAY

 

指揮:新谷 武


毎年夏の楽しみにしている吹響のサマコン、今年は1階席に8割近い人が入っていたのではないでしょうか。 僕は今回もまた2階席よりのんびりと楽しませていただきました。
吹響のサマコン、毎年テーマがあって、今年は「ダンス・ダンス・ダンス!」
事前に「今年はダンス・チームが踊るみたいです」と教えてもらってまして、団員の方が踊るのか・・・な〜んて思ってましたけど、ジャスダンス・スタジオ「STUDIO DANCE WITH RAY」の8名の方でした(あたりまえか)。
でも指揮者の米山さんが言われるように、アマオケがダンスと共演することは珍しいことでしょう。 そもそもサマーコンサートという形式、夏の暑い盛りにクーラーの効いたホールで気軽に音楽を楽しむ企画なんて、プロオケでもやっているところは少ないので貴重です。 しかも無料ですからね。 クラシック音楽の垣根をとことんまで下げてくれる有り難い演奏会です。
しかも毎年テーマがあって、クイズ形式だったり、落語家の桂しん吉さんが司会をされた時もありました。 今では有名になった若手ジャズピアニスト・松永貴志さんが現役高校生として出演された年もありましたね。 そして今回はダンスとの共演というわけです。 毎夏の楽しみとして、個人的にはすっかり定着しています。
そして恒例の指揮者コーナー、今年はマイ指揮棒持参で臨まれた方や、電動車椅子で参加された方もいて、お客さんにとっても毎夏のお楽しみという感じを強く持ちました。
ところで、肝心のダンスの付いた音楽ですけど、合っているのかな? なんてちょっと戸惑う場面もありましたけどね。 音楽にダンスがついて楽しみやすくなったと思えたバーンスタインの「キャンディード」序曲、ラ・ヴァルス。 あまり堅苦しいこと言わず、今年もまた楽しませていただきました。 楽しむことが一番です。 ありがとうございました。


簡単に演奏会をふりかえってみたいと思います。

家を出たときに降っていた雨、吹田では雨粒は落ちてこないものの、いつ降っても不思議ではないような感じ。 長男とともに開演10分前にホールに到着しました。
受付でパンフレットを受け取ると、いつもどおり2階席に直行。 これまたいつもどおりの中央通路後ろの足もとの広い席に落ち着きます。

今年のテーマは「ダンス・ダンス・ダンス!」。 さっそくパンフレットを開いて内容確認。 事前に「今年はダンス・チームが踊るみたいです」と教えてもらっていたのですけど、団員の方が踊るのか・・・な〜んて思ってましたけど、ジャスダンス・スタジオ「STUDIO DANCE WITH RAY」の記載がありました。 クラシックのバレエなら見たことありますし、喜歌劇楽友協会の公演における踊りは定評あるところですけど、今回のパンフレットの写真を見ると、パンク風の風貌、ちょっと怪しい感じも漂っていました(失礼)。

ステージ上では、オケの位置が後ろに下がって、前方にはカーペット(?)を敷いてダンスをするフロアが広がっています。
コントラバスの方が練習されていましたけど、それ以外の方は定刻になって整列入場。 老眼かかった眼をしばたいて見た限りでは、弦楽器は通常配置ですけど、編成が 9-16-8-10-6 だったでしょうか。 2ndヴァイオリンが多い(1stヴァイオリンが少ないというべきか)のが印象的ですね。 チューニングを終え、新谷さんがにこやかに登場されて始まります。

「キャンディード」序曲、ダンスと一緒になった楽しい演奏でした。 普通でも騒々しい演奏になりがちなこの曲なのですけど、ダンスを付けることによって、曲の持つ楽しさが出てきたように思えました。 特に後半、トロンボーンを強奏させたあたりなど、ダンスも意識して派手に演っていたのかもしれませんね。 なおダンスを見ていると、なんとなくウェストサイド・ストーリーのように思えたのは気のせいかしら。

米山さんが登場されてスピーチ。 アマオケでダンスとの共演は珍しく、次は10年後にあるかどうかで今日ここにいる人はラッキーです、なんていうお話だったかな。 
この間に金管奏者が入れ替り、ここから第1部の終わりまで米山さんの指揮となりました。

ブルータンゴ、ここでも踊るのかな〜 と思っていましたけど、踊りなしの演奏のみ。 快活な演奏でしたね。 ホルンの強奏、なかなかカッコよかったと思います。 だんだんと音量を上げてタイトに盛り上げたあと、すっと抑えを効かせたチャーミングな終了でした。 もうちょっと滑るようなヴァイオリンの響きがあったならもっとよかったかな〜

米山さんのスピーチのあと2曲続けて演奏

スラブ舞曲第10番、冒頭で木管がほんのちょっと飛び出したかな、でも全体的に正確なリズムを刻むホルンと低弦が終始目立っている安定した演奏でした。 全体的に抑えを効かせて物悲しさを漂わせていたようです。 フィナーレでの感情の高まりもちょっと抑え気味。 しっとりとした演奏はなかなかのものでした。

交響曲第5番第4楽章、これまでと一味も二味も違う響き、まとわりついてくるみたいな濃厚な弦楽アンサンブルが見事な開始でした。 ゆったりと曲を進めてゆきます。 響きが薄くなる部分では、ややバラけた面もあったようですけど、音量を増してピークに差し掛かるあたりは感動的。 深みもありますし、一種泥臭い面も感じました。 あの映画(「ベニスに死す」)を大きなスクリーンで観たことがある(ホール上映ですけど)せいでしょうかね、あの映画のもつドロっとした感じもしました。 このあとも速度が遅くなると集中力が続かなくなるようなんですけど、懸命な演奏。 最後はコントラバスの音量が増して音楽を締め、すっと終わったあたりも見事でした。

米山さんのスピーチの間に管楽器メンバーが増強されました。 今度はダンスとの共演です。

ファランドール、華々しいファンファーレの入ったストレートな演奏でしたね。 木管楽器が巧かったし、ブラスもよく締まっていて迫力ありました。 でも踊りやすく演奏しているせいでしょうか、インテンポなのかしら、ストレートな感じでぐいぐいと進めていった感じ。 なんとなく単調やなぁ〜っていう印象を持ちました。 オペレッタなどと違って、演奏している位置がダンサーの後ろですものね。 オケピットの中なら、ダンサーの踊りに合わせて音楽を伸び縮みさせるのが面白いところなんですけども、仕方ないことなのかも。

15分間の休憩。 席でじっとしながら第2部の開演を待ちました。

第2部はお馴染みの指揮者コーナー。
今回のお題は先のファランドールと年末に行うベートーヴェンの第九から終楽章で最初に盛り上がる部分(といえば分かるかな)。
今年も年代性別を違えて募集しようとしましたけど、男性が多かったですね。 双子の男の子、「いっしょにやって」と言われたけど拒否(あたり前ですね、それぞれの個性だもの)。 手製のマイ指揮棒のおじさん、音楽を聴いて指揮すると見事に遅くなりました。 最後はその遅さを楽しんでいたみたいなのは年の功でしょうか。 もう一人のおじさん、ハナ息の法則で米山さんに遊ばれていましたけど、最後は音楽をうまく流してキメていました。 ここまでファランドールでしたけど、電動車椅子で参加された唯一の女性の方が指揮されたベートーヴェンの合唱、ステージと観客も一体になって心に沁みる音楽を味わいました。 これぞ生の音楽の醍醐味ってやつでしょう。 えもいわれぬ音楽空間がありました。 そして最後の若い男性も第九を指揮、こちらは予習していたのでは、と思えるほどの見事な振りっぷりでした。
毎年見させていただいていますけど、マイ指揮棒持参で臨まれた方や、電動車椅子で参加された方もいて、お客さんにとっても毎夏のお楽しみという感じを強く持ちました。

司会の米山さんが下がると、打楽器メンバーが入り、管楽器のメンバーも一部入れ替わったようです。 第3部、指揮者の新谷さんが登場しました。

ラ・ヴァルス、集中力の高い出だしから優雅な音楽。 赤いドレスを着た女性ダンサー3名が登場して音楽も盛り上がります。 漂うような音楽になると、入れ違いに白いドレスを着た女性が2名。 タイトな金管で音楽も盛り上がります。 このあとリーダ格の女性や男性が出てくるのですけど、舞台を見ていると音楽に集中できないですね。 ま、もとからフランス音楽は得意じゃないですし。 かといってダンスも詳しくもないし、なんとなく音楽と踊りを追いかけながら楽しみました・・・って感じかな(すみません、集中力なくって)。 
とにかく新谷さんを見ていると結構ノッてる指揮ぶり。 ダンスも頑張ってましたね。 フィナーレでは銅鑼が威勢よく鳴ってぐっと盛り上がって力強く幕となり、大きな拍手に包まれました。

アンコールは、その新谷さんの指揮でアンダーソンの「舞踏会の美女」、指揮されながら身体でリズムをとってましたよね。 こちらもノリの良い演奏で躍動感をもって演奏会を締めました。 
まぁいろいろと書きましたけど、実際には堅苦しいこと言わずに今年もまた楽しませていただきました。 ありがとうございました。 そして皆さんお疲れさまでした。