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オーケストラ・アンサンブル・フォルツァ Autumn Concert 2012

すべて団内指揮者による意欲的な演奏会戻る


日時:2012年10月28日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:八尾市文化会館 プリズムホール(大ホール)

ラヴェル:古風なメヌエット※
プーランク:象のババール※※
ドビュッシー:子供の領分※
ストラヴィンスキー:火の鳥(1945年版)
(アンコール)サティ:ジムノペティ

語り:桂文昇※※
指揮:池田俊明・菊 正憲※・松永健司郎※※


すべて団内指揮者による意欲的な演奏会、若いメンバー主体のオケ特有の前向きな明るさがあり、透明な響きのヴァイオリンや、落ち着いた管楽器の響きがうまくブレンドされていました。 フランス音楽としては、もうちょっと洒脱な面が欲しい気もしましたが、手垢に汚れていない生真面目な音楽は聴き応え充分でした。 またオータムコンサート、未就学児も入場可能であるためか、どの曲も判りやすい演奏内容に仕上がっていたように思います。 フランス音楽が得意ではない当方にとっても、とっても聴きやすく纏まった演奏で良かったですね。

プーランクでは、語りに落語家の桂文昇さん(平成10年に文昇を襲名する前は小國、個人的にはこちらの方が印象強かったりします)を迎えて、息のあった演奏が披露されました。 文昇さんの語りは、落語口調を抑えた落ち着いたもの。 演奏は、浮遊感や重量感、機動力もうまく出していて、今回の演奏会全般に言えることですけれど、響きの角を巧く落とした肌触りの良い響きが魅力的でした。

休憩を挟んでからの子供の領分も良かったですね。 指揮者の菊さん、冒頭の古風なメヌエットでは気合とともにストレートに音が出ていましたけれど、こちらは軽やかな響きながら深みも充分にあって、精緻な合奏に意欲を感じました。 弦楽器の透明感ある響きも素適で、終曲では馬力をもった響きながら刺激を抑えてグラマラス。 これが軽やかに踊るように進んでゆきました。 若さ、意欲を感じたといえば4曲目、雪は踊っている、とのタイトルながら、冷たさを感じさせないひたむきさがあったようです。 ともかく良い演奏でした。

そしてメインの火の鳥、張りのある低弦の響きより開始。 響きに充足感があって、地に足のついた演奏だと直感したとおり、最後まで見事にコントロールされた演奏は、団内指揮者によるものとは思えないほど。 もう少し弦楽アンサンブルの伸縮の幅を大きくして欲しかったとか、希望はありましたけど、パワフルかつダイナミック(大太鼓のお兄さん大奮闘)な演奏としていましたが、終曲での弦のトレモロも存在感あって見事でした。 全員一丸となってのフィナーレまで、きちんと制御されつつ燃えた演奏は見事でした。 大きな拍手を贈りました。

家を出るときにはけっこう雨が降っていて、出るのをためらうほど。 意を決して家を出ましたが、近鉄奈良線で生駒山を抜けると陽が射していて、拍子抜け。 大阪線から生駒山を見ると、稜線一帯に白い雲がかかってました。 なかなか綺麗な光景も眺められたし、何よりいい演奏が聴けて、出てきて大正解でした。


以下、未稿