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大阪市民管弦楽団 第81回定期演奏会

緻密に仕上げられた「グレート」戻る


日時:2015年4月19日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:フンパーディンク/歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
   ヒンデミット/交響曲「画家マティス」
   シューベルト/交響曲第8番「ザ・グレート」

指揮:松岡 究


前回、井村誠貴さんの指揮での「惑星」、機動力ある演奏に度肝を抜かれましたが、今回は松岡究さんの指揮による統率力で緻密に仕上げられた「グレート」に唸りました。

松岡さんの指揮は判りやすいのが特徴、明快なテンポ設定で背を屈めて音量を下げ、背筋をピンと伸ばしてタイトな響きとします。 いずれの曲も要所に力を込めたメリハリのある演奏としてぐいぐいと進めてゆきました。

前プロ2曲は耳馴染みの少ない曲なこともありましたが、グレートは好きな曲。 ちょっとハードル高くして聴いてしまいましたけれど、集中力の高い良くよく纏まった巧い演奏でしたが、わくわく感が感じられなくて・・・ちょっと楽しめなかったのが正直なところ。

機動力のある弦楽アンサンブル、凜とした木管の響き、勇壮な金管と要所を決める打楽器、これらが一糸乱れず呼応して進んでゆきます。 また松岡さんの指揮も実に明快、主題が繰り返されるたびにきちっと同じ動作、オケをきちっと統率して進める実に硬派な音楽・・・でもね、個人的にはシューベルトなのだから、もっと自由度を持たせて歌って欲しいのよね、などと思ってしまいました。

いったんそう思ってしまうと、縦横きちっと揃った巧い演奏もよく知っている曲だけに予定調和のように感じられ、ドコドコと打つティムパニもデリカシー無くうるさく聴こえてくる(もうちょっと音量下げて欲しかったな)、と個人的な悪循環に陥ってしまいました(すみません)。

なおこれに先立っての2曲、いずれも耳なじみ少なくてより雑な感想となりますが・・・

「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲、前半はまとまり感がなくて行進曲調となって聴きやすくなりましたけれど、なんだかなぞっているような感じ。 子ども向けの歌劇なのだからもうちょっと楽しそうに演奏されても良かったのでは、と思った次第。

「画家マティス」、難解な曲ながら前曲の演奏とは別物。 全奏となっても余裕を持たせた響きで聴き応えがあって、よく演ったなぁ、見事でした。 第1楽章のあとで会場より拍手があったのも頷けます。 終楽章も深みとコクのあるアンサンブルがパワフルになり、また粘り気を持っていて唸ります。 厚みのある中音弦が存在感あって素晴しかった。
ということで、難解でよく判っていないながらも、この演奏が一番聴き応えがあって楽しめました。

今回ちょっといろいろとあって感想文が大幅に遅れてしまい、かつあまり良い内容ではないですが、それだけ期待度も高かったということでお許しください。 とにかく皆さんお疲れさまでした。


以下、未稿