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第5回ホール・バルティカ演奏会

タイトできりりっと引き締まった合唱とオケによる熱い演奏戻る


日時:2016年2月14日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:伊福部昭/交響譚詩
   伊福部昭/オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ
   カール・オルフ/カルミナ・ブラーナ
(アンコール)カール・オルフ/カルミナ・ブラーナより
               第10曲「たとえこの世がみな私のものでも」

独奏:渡辺領子(マリンバ)

独唱:内藤里美(S)、山本康寛(T)、松岡剛宏(Br)

合唱:混声合唱団ホール・バルティカ、池田ジュニア合唱団

演奏:セント・マーティン・オーケストラ

指揮:河崎 聡


タイトできりりっと引き締まった合唱とオケによる熱い演奏に感動しました。 いずれの曲も土俗的ともいわれる曲ですけれど、洗練されたリズムに乗せた現代的な演奏が印象的でした。

ザ・シンフォニーホールはもう何度も来ていますが、自由席であったのは始めてじゃないかしら。 で、迷わず最上階に上って2階席最前列AA-44を確保。 足もとが広くて楽ちんです。 合唱団はクワイア席、児童合唱団は2階席LA区画に配置され、オーケストラの弦楽器は 10-9-7-7-6 での通常配置となっていました。 パーカッションがステージ中央奥から左側にずらりと配されていたので、ホルンがポツンと離れてヴァイオリンの後ろに配置されていたのが目にひかれました。

まずは伊福部昭の交響譚詩、アマオケ演奏会でも4〜5回は耳にしているお馴染みの曲ながらタイトで明るく張りのあるサウンドが印象的だった第1譚詩、なかでも甘さを含んだ輝きのあるトランペットが素晴らしかったですね。 もちろん弦・木管・打楽器もよく響き合って聴き応えありました。 第2譚詩では落着いたサウンドで深淵な雰囲気を醸し出しながらも決して引きずらず丁寧な音楽造り。 ここでは木管が活躍、とくにコールアングレがいい味を出していましたね。 集中力を増してそっと終わったあと、河崎さんの棒が完全に降りてからの拍手のタイミングも見事。 より深く演奏を味あわせて頂きました。

続いて伊福部昭のオーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ、こちらは初めて耳にした曲ですが、マリンバ特有の柔らかさと深さを兼ね備えた響きの多い打音、しかし時に激しく打ち、その変幻に魅了されました。 オーケストラとの会話もよく決まっていましたね。 前半は大太鼓のドンドンと打つ音も印象的。 粘り気を持たせた弦楽器の響きを始め重心の低いオーケストラサウンドとも一体感を増した後半、マリンバの技巧的なパッセージの連続、これらが相俟って感動的な音楽となりました。 これをスパッと断ち切った幕切れもまた素晴らしかった。 いい音楽を聴かせて頂きました。

20分間の休憩を挟んで、いよいよメインのカルミナ・ブラーナ。 好きな曲なので数種類の録音も持っており、先日は図書館で借りた室内楽版なるものも耳にしましたが、生演奏で聴くのは始めてです。 大きな期待を持って臨みましたが(こんな時に裏切られる事が多々あるのですが)、期待を裏切ることのない素晴らしい演奏に大いに感じ入りました。 演奏終了後数日経ってもアンコールで演奏されたパッセージや他の旋律が時折りぐるぐると頭の中を回っております。

最大の功労者は合唱団、よく訓練されてびんびんとストレートに届いてくる声・声・声・・で圧倒。 男声はタイトで迫力ありましたね。 児童合唱もよく纏まって立派でしたし、女声は柔らかく響いていたが印象的でした。 独唱陣ではバリトンの松岡さん、艶やかでよく透る声でありながら声量も十分で見事な歌唱を堪能。 ソプラノの内藤さんはやや甘さを伴って伸びやかな声、ソリストとしての華やかさを持っておられました。 テノールの山本は難しい役どころ、頑張っておられましたが当方のイメージとは残念ながらちょっと違いました。 オーケストラはよく纏まって弾力ある響き、スピード感もあって見事な演奏でした。 パーカッション大活躍なのですが、管打楽器がとてもよくまとまって見事に決めていました。 河崎さんは終始にこやか、奇を衒わずしっかりと全体を巧く纏めつつ、冒頭より見事なリードで推進力を持った引き締まった演奏としていました。 あれよあれよという間に終った、そんな感じ。 皆さんお疲れさまでした。 素晴しい演奏を有難うございました。


以下、未稿