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大阪市民管弦楽団 第83回定期演奏会

ドヴォルザークのニ短調からブラームスのニ長調へ戻る


日時:2016年4月10日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:ドヴォルザーク/交響曲第7番
   ブラームス/交響曲第2番
(アンコール)ヨハン・シュトラウス2世/アンネン・ポルカ
(アンコール)ブラームス/ハンガリー舞曲第6番

指揮:藏野雅彦


ドヴォルザークのニ短調からブラームスのニ長調へ、これをおもしろいと快諾された藏野さんの指揮による交響曲2曲の演奏会。 いずれの演奏も藏野らしくじっくりと構えた手堅い指揮で進められていましたが、オーケストラの作品への共感でしょうか、ブラームスの方が粘り気や逆に浮遊感もある素晴しい演奏と感じました。

ドヴォルザークの交響曲は、弦楽器は対向配置で 15-12-10-10-8 の編成。 第1曲目ということもあったのでしょうか、オケの響きは厚くよく纏まっていて躍動感もあったのですけれど、もうちょっと歌心のある演奏を当方が望んでいたこともあって、巧いなぁと思うことはあっても何故かちょっと感動には結びつきませんでした。 個人的には第3楽章のスケルツォなどもっと歌って欲しかったし、終楽章の開始などもとてもよく纏まった響きで、藏野さんのキレの良い指揮もあってパワフルなオケの響きでぐいぐいと盛り上げていった充実した演奏と聴きましたが、どこかしら生真面目さが前面に出てきたみたいで・・・なんとなく平板的にも感じてしまいました。 逆に技量の落ちるオケで聴いたならばもっと必死さがにじみ出てきて面白味も増したのかな、などど偉そうに思ったしだい。 ドヴォルザークの第6・7・8番の交響曲は好きでよく聴いているのでちょっと敷居が高くなっているのかもしれませんね。

これに比してブラームスの交響曲は、弦楽器は対向配置で 14-13-10-10-8 とし、藏野さんの指揮は先と同じようなアプローチであったようですが、オケから醸し出されてくる響きが異なって感じられ、作品への共感が高かったのかな、と思ったしだい。 第1楽章など柔らかく響く低弦とホルンや木管の絡んで始まり、高音弦や他の楽器も浮遊感のある素晴しい開始。 そして徐々に音量を上げて粘り気のある低弦をベースに充実した響きとなって魅了されました。 そしてゆったりと緻密に練り上げた第2楽章、ここでもホルンと木管楽器が素適に絡んた見事な開始で、管と密接に絡みあう弦楽アンサンブルもしっかりしっとりとしていましたね。 軽やかで素適な音色のオーボエが印象的に始まった第3楽章、ファゴットもいい味出していましたしね。 明るく伸びやかでした。 そして終楽章は軽量級の響きによる開始より集中力を高めてメリハリを持たせ、しかし声高に叫ばない演奏、そして最後に畳み掛けたフィニッシュで解放。 素晴しい演奏にホールも沸きました。 きちんと計算されているのが藏野さん流ですが、これによく応えていたオケに大きな拍手を贈りました。

アンコールは2曲、いずれもきちんとしたなかにも本プログラムより自由度を持たせた伸びやかな演奏、そして最後のハンガリー舞曲を強烈に締めてまた会場を沸かせてのお開き。 充実した演奏会でした。 皆さんお疲れさまでした。



以下、未稿