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オーケストラ・ソノリテ 第34回定期演奏会

響きの美しさを導き出されて充実した演奏会戻る


日時:2018年2月11日(日) 13:30開演(12:45開場)
場所:尼崎市総合文化センター・あましんアルカイックホール

曲目:シャブリエ/狂詩曲「スペイン」
   ドビュッシー(ビュッセル編)/小組曲
   ベルリオーズ/幻想交響曲
(アンコール)ベルリオーズ/ファウストの劫罰より「妖精の踊り」

指揮:浦 優介


新鋭指揮者の浦 優介さんに率いられたソノリテは、フランス語で「響き」を意味する「ソノリテ」のごとく、響きの美しさを導き出され、とても充実した演奏会でした。

冒頭のシャブリエの狂詩曲「スペイン」より、フレッシュな感覚でありながら前のめりになることなく、キラキラと輝くような響きながら、ちゃんと響きの角をなめらかにして刺激的にすることなく演奏で会場を魅了していました。 ここまでくると、もうちょっと押し出し強くパワフルにして欲しいな、という場面もありましたが、これは欲張りですね。

ドビュッシーの小組曲もよかった。 全体的にやわらかな響きで満たされていて、端正なソロ楽器の響きがきちんとアクセントになっている。 弦楽アンサンブルもまた見事でした。 高音弦の透明感とコントラバスを6本から4本に減らした低音弦の寄り添うような柔らかな響き。 その間を埋めるヴィオラもしっとりとした良い響きでした。 浦さん、しっかりと曲を掴んで、オケをドライブして、とても判りやすい演奏となっていたのがまた印象的でもありました。

判りやすい演奏といえば、メインの幻想交響曲。 しっかりとした構成感をもって、きっと進めていましたね。 そして後半になると、次第に熱気を孕んできて迫力ある演奏として会場を沸かせました。 3つの言葉で表わすと「フレッシュ」「端正」「迫力」でしょうか。
個人的には、第2楽章にもっとルバートをかけたり(バルビローリの演奏の影響)、終楽章のダブル・ティンパニを躍動的にしてほしい(かつて聴いた大阪シンフォニカー、現大阪交響楽団の演奏の影響)とか思ってみたりしましたが、それもこれも整然と流れる演奏になっているからこそで、なかなかこのようにきちんと纏まった幻想交響曲はないですね。 ブラボーも頷けます。 全員が一丸となった演奏を堪能しました。

またアンコールも柔らかな響きに満ちていて、熱くなった会場の良い清涼剤になっていました。 とても充実した演奏会でした。 皆さん、おつかれさまでした。


以下、未稿