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ブレンデルのモーツァルト/ピアノ協奏曲第25番

フレッシュで流麗、知的な輝き(戻る

休日の開放感を味わうにはこのレコード。 結婚前、日曜の朝ともなるとベランダの窓を開け放ち、このレコードをかけて部屋の掃除に精を出したものです。 確かに部屋の掃除が捗りそうな曲でしょう。 もちろんブレンデルとマリナー指揮アカデミーによるこの演奏もフレッシュで流麗、知的な輝きが散りばめられていて、気持ちも明るくなりますよね。 今ではこのレコードを聴きながらの部屋掃除はしなくなりましたけど、このところ出してきて、お仕事で疲れた心のお掃除をやっています。 気持ち良くなりますよ。

このレコード、写真には帯(ジャケットの上に被せるタイプ)を写しませんでしたが、フィリップスNEWグロリアシリーズの1,500円盤です。 オリジナル・マスタープレス/オランダ直輸入/日本語解説の文字があります。 オイル高やら円高で輸入盤が安くなったことから、日本フォノグラムが輸入盤の体裁を整え、国内盤扱いとして販売したものでしょうね。
いつ買ったかは覚えていませんが、第25番は 1978年1月27-28日ストラスブールでのライブ録音。 カプリングのコンサート・ロンド ニ長調は 1975年12月18,20日ロンドン録音とクレジットされています。 全集が完成したのが1984年なので、このレコードは新譜ながら廉価盤でリリースされたのかもしれませんね。 非常にクリアで瑞々しい録音でもあります。

さて肝心の音楽。 これは今さら僕が書くまでもなく、ブレンデルのモーツァルト・ピアノ協奏曲全集の中にも収録された演奏ですからね、素晴らしいの一言で終わってしまいそう。 でも敢えて書くとしましょう。

堂々とした第1楽章、この楽章はジュピター交響曲にさえ匹敵すると解説で大木正純さんが書かれていますが、まさに威容を誇る演奏なんですけどね、非常にクリアで、透き通るよう。 これは全曲に通じますけど、某評論家のマネをするなら、精神性の高さ、っていうのでしょうか、 何やよ〜わかりませんが、非常に気持ちよく聴けるわけです。 第2楽章なども、けっして華美ではないのですが多彩な色合いが感じられ、ニュアンス豊かな演奏です。 盤面をひっくり返しての終楽章、これもまた軽やかに弾き進め、デリケートな美しさと悦楽、これらをあますところなく伝えてくれます。

そしてフィナーレを形成したあと、拍手が沸き起こります。 えっ、こんなに完成度の高い演奏がライヴ? そんな驚きをもって演奏を終えます。 ふざけてレコードと一緒になって拍手を贈る、そんなことも忘れてしまうような素晴らしい演奏です。